第一回

絵本を読んであげようとしても、どんどん、どんどんめくってしまってばかり。読み聞かせることができません。どうしたらいいのでしょう。 子供は1歳と9ヶ月です。

早く絵本を読んであげたい気持ちも分かりますが、あせりは禁物です。
まだ2歳前ですものね。

たいていは二歳半を過ぎてからだんだん対話ができようになるので、お話の理解を求めるのはまだ早いと思いますよ。

まだお話を読むのは早いのですね。

では、ビジュアル中心の絵本はどうでしょうか。

動物・植物・身の回りのものなどがのっているきれいな絵本など、絵自体が力を持っている絵本がいいのではないでしょうか。図鑑もいいですよ。

布の本や、音が出る本などの、絵本というよりおもちゃの部類に入るものも受け入れやすいと思います。

図鑑をみせても、やっぱりめくってばかり。

音を楽しんでいるのでしょうか。

まだ本を、おもちゃと同等の存在に思っている段階なので、感触や音を楽しんでいるのでしょうね。
ページをめくること自体が遊びなのでしょう。
ある一定の場面が気に入って、その場面をめざしてめくっている子もいます。

絵や歌やお話よりも、網戸についた水滴をじっとみたり、洗濯機がぐるぐるまわるのを見たりが好きみたいで…

それはそれでいいのだと思いますよ。そういう時、子どもの脳は活発に動いていると思います。
視覚や聴覚、触覚など、たくさんの刺激を与えることが大切。そして、それを整理する静けさが大切です。

もう少し大きくなってからでも、絵本の時期なのか、動物に興味があるのか、それとも体を動かすことが好きなのか。子供によってそれはいろいろです。

動物をみせようと動物園に行ったら、地面にすわり込んで一生懸命石を拾って一日終わったという話もあります(笑)。

では、2歳半をすぎたころに絵本の読み聞かせがうまくいかなくても、とくに心配はないのでしょうか。

お母さんと対面して何か一つのことをする経験を普段からすることが大事で、絵本はその手段です。
何を楽しんでいるのか、何が快いのかを観察して、一緒にそれを楽しむのが一番だと思います。

絵本も、楽しいから読む。知らないことを知る楽しみ、何らかの感情が生まれる楽しみがあるから読むのです。
周りに並べておいたら、いつか認識して、「読んで」ともってくる時がくるはず。
絵本に何かの効能を期待しすぎない方がいいです。

もうひとつ。一対一で読むのもいいですが、お友達と一緒に読んでもらうと、次々とめくることなく、絵本に集中することもあります。

お話としては絵本以外にもDVDなどありますが、やはり絵本がよいのでしょうか。

快い肉声は大切ですし、絵本ならある場面でとまって、なんだろう?と疑問を持って話し合ったり、絵の一部でストーリーをつくってみたりと自由自在ですからね。
そういった意味では、DVDなどは一方的すぎます。

また、絵本は何歳になってもミスマッチはありません。
「○歳向け」には惑わされないようにしましょう。
でも、読み進む順番は大事だと思います。おすすめの順番があります。


来月は、絵本を読む順番「絵本年齢」についてお話していきましょうか。