第四回

みなさんどうでしたか?
本屋さんでいい絵本は見つかったでしょうか。


近所の本屋さんにいったら、どうしても平積みの本に目を惹かれて、手に取ってみてみるのですが、結局は、仕掛け絵本で遊んだりして時間が過ぎてしまいました。


置いてある絵本の質は本屋によってだいぶかわるので、いくつか本屋さんをまわってみたり、たまには絵本専門店に行ってみるといいですよ。
どうしても、季節の絵本や、新刊絵本、売れている作家の絵本を、平積みにしてありますからね。あとは、ぎっしりと本棚に並んでいる状態ですから・・・

背表紙で並んでいるとなかなか選びづらいです。

作家別、画家別ではなくて、出版社別に並べてあることが多いですからね。
でも、やっぱり、平積みだけでなく、棚に納まっている本も、題名や作者を頼りに、片っ端からひっこ抜いてみるしかないでしょうね。

だんだんとお話の絵本を読めるようになってきて、次はどんな絵本を選ぼうか迷ってしまうのですが。


お子さんのための絵本選びですが、ここで、お母さん自身が、ちょっと違った視点で絵本を見るのもいいですよ。

絵本には、ほんとにいろいろな形式があって、物語、昔話、言葉遊び、図鑑、写真、などに分けられますし、絵も、水彩、油彩、ペン、パス、版画、コラージュ、写真など、様々な表現方法を使っています。画家の渾身の作だと感じられるものに会えると、本当に絵本の力ってすごいなと思い知らされます。

そういうことを意識しながら、眺めてみるのもいいでしょう。まずはお母さん自身が楽しんでみてはどうでしょう。それが、お子さんのための絵本選びにもつながると思います。たとえば…小さい子向けなら




まずは、図鑑のような絵本
「くだもの」福音館
「どうやってねるのかな」福音館
「やさいのおなか」福音館

言葉遊び絵本なら、
「さる・る・る・る」福音館
「もこもこもこ」文研出版
「ばしん、ばん、どかん」冨山房

写真絵本でおすすめなのは、
「はるにれ」福音館
「ねずみのほん」童話屋

など。あげればきりがないのですが。



子育てをするようになって、はじめて見る絵本もたくさんあって面白いです。部屋に飾りたくなるようなシーンのページもありますよね。


絵本は、美術館に見に行くような作品を、気軽に手にとることのできる手段でもあると、思うことがあります。
国内外のアーティストが描いた作品が、せっかく絵本として世の中に出ているのだから、じっくりと見ない手はないと思います。
図鑑絵本など写実画も、誰が描いた絵なのか注目してみると、画家によって、絵が違っていて面白いですよ。


同じ作者でも、時代とともに絵の描き方が変わっていく様子を追うのも興味深いです。
たとえば、ジョン・バーニンガム。

まずこれは初期の作品です。
「ボルカ はねなしガチョウのぼうけん」など、最初の作品の絵は、しっかりと色が入った重厚なものですが…


そして、次の時代。「ガンピーさんのふなあそび」のころになると軽快なタッチになっていきます。

そして、
第2回「絵本の入り口」で紹介した、「もうふ」「うさぎ」「ともだち」(すべて冨山房)
もう、極度にシンプルになっていて、どんどん軽妙で達観した感じになっていくんです。

年を経るにつれて着想が変化していく作者の様子を発見するのは、大人ならではの楽しみ方かもしれません。

絵本にとっては、文章も大切ですよね。


お母さん自身が、これはきれいな言葉だな、こんな言葉を使える人になって欲しい、などと感じる文章を見つけたいものです。お子さんにウケる、ウケない、真似して口にする、そのような文が必ずしもいいとは限りません。


特に、翻訳絵本は、訳者によって非常に左右されます。訳者に注目するのも、面白い絵本の見方です。すぐれた訳者は、海外のいい絵本を訳しているものです。訳者の方も翻訳する絵本を選んでいるということでしょう。


そういえば、あらためて見てみると、同じ訳者の本を三冊持っています。堺谷先生のおすすめの訳者の方はいらっしゃいますか。


では、次回ご紹介することにしましょう。