工場見学

NO.3 Belgium


前々回紹介したLIBECO-LAGAE社は、ウィーバー、リネンの織りやさんです。
今回、織った後の生地を加工する工場におじゃましました。



工場の応接室にある絵、左に見えるのがその工場。右手の川は、その当時フラックスを浸し、その水の色から「黄金の川」と呼ばれていました。1930年代の作品です。
そんなリネン産業の中心に位置する工場では、染色を含む様々な加工が行われています。





加工のために運び込まれた、原反(ルームステート)たち。
繊維に含まれた糊や、油を除くための酸化剤や苛性ソーダは、基本的には昔と同じですが、以前より環境にやさしいものが使われています。それでも、これらの薬品臭はかなりのもので、仕事の大変さがうかがえます。





かつては、この廃液による、川の汚染が問題になっていましたが、今ではこのパイプを通して浄水場に送られ、きれいな水になって川に戻されているそうです。 その結果、この川は以前に比べるととてもきれいになったとのことです。 古くからの川の流れをまっすぐに直す工事が進行中。





絵に描かれていた煙突と同じ煙突です。





どこかで見たような生地がでっぷりとあります。






染色は奥が深く難しいです。お話を聞いても化学的な知識が少なく、十分に理解できていません。反応染料を使うリアクティブ・ダイイングと直接染料の色に染まるバット・ダイイングがあって、この工場ではほとんどがリアクティブ・ダイイングでこの長い筒の中でその作業が行われています。





高温で処理することが多いのに、驚きました。工場の中は高温、多湿です。





なにがなんだかよくわからないのですが、これは絞ったものを伸ばす機械みたいです。





そんな中でもっともわかりやすいのがこのアイロという機械。風をあてたり、でこぼこの道を通すことで、生地を物理的に柔らかくする機械です。この加工は一番最後に付け加えられます。もちろんアイロ加工が施されていない生地もありますが、ベッドリネンなど、店頭で並んだ時に、ソフトな感じが喜ばれるものには、たいていこの最終仕上げが加えられています。一度洗濯してしまえば、その効果は消滅です。





工場内には研究室もあって、顧客のために個別に染料を調合したりしています。(秘密なので写真なしです。)リネンはコットンに比べると、染色と色の定着が難しく、?そのためにこのようにリネンに特化したフィニッシャーは、重宝されています。
色落ちを抑えるといったことの他に、リネン特有の摩擦、こすれに対する弱さを克服するために、いろんな新しいフィニッシュが日々研究されています。





西ヨーロッパのリネン産業は、こうしたスペシャリストと分業体制を組むことによって、高い技術力を維持していけるとのことです。実際リベコ社の商品開発担当者は、この工場に毎日のように来て、打ち合わせをしています。
工場の男たち、真ん中はいつもお世話になっているリベコ・ラガエのフィリップ。右はリベコ・ラガエの商品開発担当。


工場見学 バックナンバー