アバウトリネン リネンのはなし、あれこれ、よもやま話。お話その1

「麻」にはいろいろある

「麻」にはいろいろある

「麻」と聞いて思い浮かべるもの …… 夏用の和テイストの服、細かな目のハンカチ、麻袋、麻のひもで編まれたバッグ、麻のシーツ。ずいぶん印象が異なる感じがします。それもそのはず、同じ「麻」と呼ばれても、まったく異なる種類の植物からとれる繊維で作られているのです。
茎を利用するリネン、ラミー、ヘンプは、長い繊維がとれるので、しなやかな糸を紡ぐことができます。そのため、洋服やシーツなどの肌に触れる製品を作るのに適しています。 日本では、衣料品の品質表示で「麻」と表示できるのは「リネン(亜麻)」と「ラミー(苧麻)」だけなのです。

リネン、ラミー、ヘンプ

日本では、衣料用としてリネンとラミーが使われてきました。 ラミーの特徴は、リネンよりもシャリ感が強いこと。ラミーは、夏らしい涼しげな演出ができる一方で、ときにチクチクする感じが欠点ともなります。 リネンでは切れてしまい達成できない細さも、より繊維の長いラミーでは細い糸を紡ぐことが可能です。糸が細ければ、薄手の生地を織ることができます。とても薄手のハンカチで麻表示のあるものは、ラミーであることが多いようです。 また、ラミーの糸のほうが切れにくいので、生地を織る工程も容易で効率がよく、リネンよりもかなり低い価格を設定することができます。

リネン、ラミー、ヘンプ

繊維の構造

ラミーとヘンプは繊維の太さのばらつきが大きく、そのため、ざらつきやチクチクした感じがあります。その風合いを生かして、ざっくりとした麻袋や、夏向きの衣料などに用いられます。

繊維の構造