子どもアートの窓

デザインすること


ちょっと硬い話ですが…

教育要領に「幼児期にはできるだけ多くの感動にめぐり合い、美しいものを美しいと感じる心を育てることが重要である」とある。それには、身の回りの物事に興味を持つ心、それに、感動する感性がなければならない。

確かに子供は、身の回りに面白いものがないか、常に探しているし、気に入ったものは、どんどん頭の中の引き出しに放り込んでいく。それは、知恵としてたくわえられたり、その子のセンスの種として感性の畑に埋められる。 ところが今は、何に関しても飽食時代。モノが溢れ、刺激はどんどん強くなっていき、自分も感性が馬鹿になっていくのではないかと、ときどき不安になる。

それでも、身の回りに、本当に美しいものや楽しいものはたくさんあるはずで、それに目をとめて、「きれいだなあ」とか、「面白いなあ」とか、素直に思えるような子どもになってほしいと思う。
「何が面白いのか、何が美しいのか・・・」 そして、それが子どもの表現と結びついたとき、子どもの「アート性」が発揮されることとなる。

大人の役割は、子どもたちを取り巻く環境の中に、確かなアート性のあるものを充満させることだと思う。保護者、教育者の責任は大きいわけだ。 子どもたちの造形活動に携わっている私なんかは、それはもう、重大な責任を背負っているということで、ときどき、とても恐ろしくなる。 自分は本当に、確かなアート性を持っているのだろうかと。


遊びアートをデザインに

画用紙に茶色系のクレヨンでなぐりがき。
白い画用紙のパッチン切り。緑の折り紙ビリビリ破って。
だいこん畑に仕上げました。
だいこんは、畑の中に入れて・・・・
引っ張って、だいこん引き遊び!

子どものアートは、どんな活動にも現れる。積み木を積むのもアートだし、なぐりがきをしてもアートだし、日常の遊びの中で、決して大人が真似できない造形活動をする。特に小さい子は、具体的なものを表現しようなんてことは、はなっから思っていない。何かを描けばお絵かきだし、紙を好きなように切ってもアートだし、折っても丸めてもアートだ。 のりやセロテープで貼りつけても、もちろんそうだ。
本人は心の赴くままに造り出すのだから、最も純粋な芸術活動といえるかもしれない。
勿論、子どもは作品をつくることに目的があるわけでなく、その過程自体に意味があるのだから、芸術とはいえないのかもしれないけれど・・・・

その活動を、組み合わせて、目に見える完成形として作品にしていくのが、こっちの腕の見せ所なのだが、それがなかなか難しい。しかし、子どものアートはとても美しいデザインに仕上がることがある。

遊びをデザインに
両面折り紙や包装紙を折って、折って、たくさん集まったら、
好きな色の画用紙に貼って、貼って。 なんて素敵な壁飾り!