子どもアートの窓

デザインすること

簡単につくって、手軽に遊べる。
小さい子の工作は、そんなことから始めたい。


ストローがあれば

ストローは、おもちゃつくりの基本材料だ。ただ吹くだけで、そこに空気の流れが集中する。2歳ぐらいの子どもの手や足やほっぺたを、ストローでふいてやる。目に見えない何かの力に子どもは、興味を引かれて立ち止まる。これだけでもちょっと遊べる。



ストローの先に長いビニール袋をつける。吹くと、ビニール袋が伸びていく。ビニール袋が動いているように見える。そろそろと吹いたり、勢いよく吹いたりすれば、また違った動き方をする。



もっと不思議に見せるには、紙コップや牛乳パックの底にストローを入れて、ビニール袋を突っ込んでおけばいい。吹くと、コップや牛乳パックの中からビニール袋がにょきにょきと出てくる。


そして、もっと面白くするには、そのビニール袋に面白い絵を描けばいい。 蛇がでてくる。ロケットが出てくる。カエルだって、ちょうちょだって・・・・簡単な工夫次第で、楽しさはどんどん進化する。

とはいうものの、空気が漏れないようにセロテープを貼ったり、紙コップや牛乳パックに穴をあけたりといったことが、自分でできる年齢ということになると、5歳ぐらいにならないと完璧にはできないだろう。



つくって遊ぶおもちゃは、自分でつくるところに意義がある。 うまくつくれば面白く遊べるが、セロテープをきちんと巻けないと、空気が漏れて、ビニール袋がうまく膨らまなかったり、すぐはずれたりする。 早く作って遊びたいから、急いで作る。そうすると、雑になってうまくいかない。我慢して、丁寧に作らなければならない。 つくる前に見本を見せて遊びながら、このおもちゃは、どうして膨らむのか、子どもたちに、聞いてみる。 「吹くから」 と、答えてくる。 「吹くとどうしてふくらむの?」 と、突っ込んで聞く。子どもたちは、一瞬考え込む。 「息が入るから」「この中がね、いっぱいになるから」 そんなふうに、一生懸命言葉を使って伝えようとする。 ここが、大切なところ。 「じゃあ、中が吹く息でいっぱいにならなきゃいけないから、抜けないようにしなきゃね。」 しっかりセロテープを止めなければいけないことを納得する。

何が、どんな働きをして、遊びに至るのか、ここを考えながらつくっていくことが、成功への道だ。子どもなりの分析力がいるということだ。


細いストローと、太いストローを組み合わせて、吹いて飛ばすおもちゃができる。曲がるストローを使えば、ロケット発射ができる。
細いストローの先を折って、太いストローの切れ端をかぶせる。これで、息は逃げない。
ロケットの絵を描いて、先端にとりつける。後は、太いストローに差し込み、吹くだけ。

どうして、ストローの先を折って止めなければならないか。そこを分析すると、このロケットが何の力で飛んでいくのかが明確になる。
そのことが、遊ぶときに、勢いよくロケットを飛ばす工夫につながる。