ちいさいおうち
「まるのうた」


「まる」は、美しい形である。「まる」は、すんなりと気持ちのいい形でもある。見ていて不安になることはない。それどころか、落ち着いた気分になる。どちらにも転がることができる自由があり、小さくても、じっと見ていると、膨らんでくるような、躍動感が感じられるのは、私だけか・・・・。「まる」は、完全な形であり、ものごとは、「まる」に始まり、「まる」で終わると言っていいかもしれない。
今の時代、身の回りには、「まる」のイメージがあるものは、ちょっと、少なくなったのかもしれないが、自然のものの中には、「まる」という形が、含まれているものがたくさんある。形の基本「まる」を見直そうと思い立ったのは、この絵本「まるのうた」を久しぶりに手に取ったからだ。かなり、黄ばんでしまったのが惜しい。ネットで調べたら、絶版になっていた。悔しい。


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私の二人の娘は本が好きです。特に上の娘は、いわゆる本の虫で、常時何冊かを平行して読み、活字であれば 新聞から包装紙までなんでも読む子供でした。長じていまは言葉の研究をしています。
さて、彼女がそんなに本が好きになったのは堺谷寛子さんが主催されていた「きらきら文庫」に1歳から6歳まで通っていたからなのです。三つ子の魂百までとはよく言ったものです。
堺谷せんせいの読み聞かせを輪になって身を乗り出して聴いていた子供たちの食い入る面持ち。
  私にとってはその情景はもう遠い昔のこととなりましたが、堺谷せんせいはその後もずっと彼らを恍惚の世界にいざなう仕事を続けています。
きっとせんせいは、子供たちのその眼差しの虜となっているのに違いないと私は思っているのです。




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