子どもアートの窓

ものの見方イコール好奇心の方向

子どもには個性があり、ものをどのような角度でみているかも個性である。
目の前に柿を置いて、観察画を描かせたら、二通りの柿ができた。
上から見た絵と横から見た絵である。柿のヘタを上に描くか、真ん中に描くかでその子の見方が分かる。

どこで見方の違いが現れるか・・? 多分、その子の興味のあり方なのだろう。好奇心がどの方向を向いているかによって、描き方が決まるのかもしれない。
柿を横半分に切って、観察画を描かせると、どの子も、真上から見た断面の絵を描く。横から見た絵を描く子は誰もいない。そりゃそうだろう。切った瞬間、子どもたちは「わあ、すごい、お日様みたいな模様だ」とか「種があるよ」とか、その断面を、真上から興味深々で覗き込むのだから。


印象的な出来事は、絵を描く意欲につながる。こんなだった、あんなだったと話ができるものは、絵に描きやすい。


三次元世界を二次元表現できるか…手ごわいサイコロ

最近は、映画もテレビも3D立体映像が注目を集めている。学生の頃によく読んだSF小説や漫画、よく見たSF映画の中に、立体映像のくだりがあって、おおいに好奇心をそそられたものだ。それが今実現されているのだから人間って大したものだ。

私たちの世界は確かに三次元世界で、縦 横 高さでできている。けれども、絵を描くときは、今のところ、縦と横の二次元平面に描くのであるから、表現の仕方がとても難しい。 子どもに聞いてみる。
「サイコロの絵描ける?」「描けるよ。四角だから簡単」とはいうものの、描き始めるとちょっと困っている。いろいろ工夫して描いてみると、こんなふうになる。


正面から、横から、真上からの見えるものを並べるしかない。
サイコロは簡単に見えて、相当手ごわい。