この本は、他の絵本を買ったときになんとなくついでに買った記憶がある。
本棚に並んでしばらくは手にとることもなかったのだが、半年ほどたって、
いつものように本棚を眺めていた時、なぜだか、ふとこの絵本が目についた。
ちょっと取り出してみると表紙に跳ね橋が描いてある。オランダの話なのかな。
(何年か前に友達を訪ねて行ったオランダの風景が頭をよぎる。)
川の真中に箱に乗った牛がいて、のんびりとした静かな雰囲気が漂っている。
どこかで見たことのあるような画風なのだけれど・・・水色の表紙の下方に、
作者の名前が書いてある。ん?「ピーター・スパイアー 」絵!
「雨、あめ」や「ばしん、ばん、どかん」他いろいろな絵本の絵で有名な、
あのピーター・スピアーが絵を描いているのだ。とたんに、表紙の牛が
「ねえ、私ってどんな牛だと思う?」と呼びかけ、にこりと笑った。・・・ような気がした。
この絵本はスピアーが描いた絵本だったのだ。
―ああ!ピーター・スピアーさん、あなたの描いた「ノアのはこぶね」も「ロンドン橋おちた」も
「きつねのとうさんごちそうとった」も子ども達は大好きですよ―
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人は誰もが、勇気をふるおうとするとき、絶大な見方がほしいものだ。
誰かが、後押ししてくれると、急に強くなれるような気がして一歩がふみだせるものだ。
「勇気百倍」ということなのだろう。子ども達にとってその「勇気百倍」のうしろだてになるすごい
「らいおん」がいる。小さいけれども力持ち。かわいいけれど誇り高く。控え目だけどやけに目立つ赤い色。
弱虫の子どものもとに突然現れ、その子を勇気あふれる強い子に生まれ変わらせると、忽然と姿を消してしまう。
「君はもう大丈夫」という手紙を残して。
絵本「ラチとらいおん」の赤いらいおんは弱虫な子ども達のヒーローなのだ!今も弱虫な子どもを強くするために、
世界をまたにかけて活躍しているはずだ。
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私の二人の娘は本が好きです。特に上の娘は、いわゆる本の虫で、常時何冊かを平行して読み、活字であれば 新聞から包装紙までなんでも読む子供でした。長じていまは言葉の研究をしています。
さて、彼女がそんなに本が好きになったのは堺谷寛子さんが主催されていた「きらきら文庫」に1歳から6歳まで通っていたからなのです。三つ子の魂百までとはよく言ったものです。
堺谷せんせいの読み聞かせを輪になって身を乗り出して聴いていた子供たちの食い入る面持ち。
私にとってはその情景はもう遠い昔のこととなりましたが、堺谷せんせいはその後もずっと彼らを恍惚の世界にいざなう仕事を続けています。
きっとせんせいは、子供たちのその眼差しの虜となっているのに違いないと私は思っているのです。