17,8年前に、イギリスで文庫活動をしていた時、ひょんなきっかけからすぐれた絵本のリストに目を通したことがあった。その中に「赤い目のドラゴン」があり、またたく間に私の中でどうしても読んでみたい絵本ナンバーワンになっていた。ドラゴンと聞いただけで、かなりの引力を感じたからだ。イギリス在住の身には、日本の本には縁遠い。帰国したら絶対に探す本のリストに加えた。
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ひとつの絵本を捜し求めて、やっと手に入れた時の満足感といったら、ママさんバレーで、優勝した時のような充実感があるけれど、探しに探していた本が、自分の本棚に眠っていたのを見つけた時ほどマヌケな脱力感を味わうものはない。
「カングルワングルのぼうし」を図書館で見つけた時、何かが引っかかってはいた。読めば読むほどすごい絵本。まてよ・・・どこかで見たような。結局、洋書ではあるがこの絵本、私の本棚の片隅で眠っていたわけで、見つけたときにはかなり落ち込んだ。
まだ新米教員だった頃、「ほるぷ出版」から出た海外名作絵本洋書シリーズを、訳もわからず月賦で買ったことがあった。高かった。しかし、外国語に極めて弱い私は絵本の絵だけを楽しんで、そのまままとめて箱に入れ、その箱は開かずの箱となり、やがては箪笥のコヤシならぬ、本棚のコヤシにしてしまったのだった。絵本のことはとうの昔に記憶の奥底へと沈んでしまっていた。
かくして、和洋両方の絵本が見られることとなり、この絵本の面白さが倍増したことになるのだが・・・・
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私の二人の娘は本が好きです。特に上の娘は、いわゆる本の虫で、常時何冊かを平行して読み、活字であれば 新聞から包装紙までなんでも読む子供でした。長じていまは言葉の研究をしています。
さて、彼女がそんなに本が好きになったのは堺谷寛子さんが主催されていた「きらきら文庫」に1歳から6歳まで通っていたからなのです。三つ子の魂百までとはよく言ったものです。
堺谷せんせいの読み聞かせを輪になって身を乗り出して聴いていた子供たちの食い入る面持ち。
私にとってはその情景はもう遠い昔のこととなりましたが、堺谷せんせいはその後もずっと彼らを恍惚の世界にいざなう仕事を続けています。
きっとせんせいは、子供たちのその眼差しの虜となっているのに違いないと私は思っているのです。