クリスマスがやってくる。一年の終盤、またもや「神の道化師」(第10回で紹介)を読み、「今年一年、自分に忠実に、なすべきことをしてきたか」の反省をする季節がきた。
去年の12月(第10回)にも、何冊かのクリスマス絵本を紹介したが、私の本棚には、この季節に必ず手にとる、ふつうとはちょっと違った、とっておきの絵本がある。 ひとつは、それを置くだけで、我が家にクリスマスの到来を、証明する絵本。クリスマスの、ほんとうの意味を教えてくれる、最も大切な絵本だ。
もうひとつは、クリスマスプレゼントにもらった人形のお話で、子どもと人形の関係において、最も神聖な領域に、触れるものである。前回の「人形が人格をもつとき」の完結編ともいえる・・・かな。  


ちいさいおうち
「クリスマスものがたり」


我が家でのクリスマスの飾りつけは、いつも、遅くなってからで、12月初めの休みの日に、家族一緒にすることになっている。去年は、ツリーの飾りつけの最中に、もみの木が、突然倒れて、壊れてしまうという、悪夢のような、アクシデントに見舞われ、土壇場で、新しいツリー探しに奔走した。
そんな窮地でも、我が家のリビングで、クリスマスを主張してくれる、とっておきのアイテムが、私の本棚にしまってある。毎年、この季節に出してきては、うやうやしく飾る絵本である。
舞台仕掛けの飛び出す絵本。かなりの掘り出し物。今はもう絶版で、古本でしか手に入らないのが、残念で残念で・・・・。仕掛け絵本は、一度品切れになると、なかなか出版されないので、是非、このページで楽しんでいただきたい。もし、クリスマスシーズンに、この絵本を見かけたら、絶対に手に入れるべきだ。私も、あと10冊は欲しいと思っている。


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ちいさいおうち
「ビロードうさぎ」


人形に、魂が宿るとは、よく言ったものだが、娘の「teddy」キティちゃんは、娘曰く、本当に生きているらしい。 彼女が小学生の頃、アライグマの顔がついた、冬用のスリッパを買ってやったことがある。何でも名前をつけたがる娘は、イトーヨーカドーで買ったので、 「イトちゃんとカトちゃん」という名前をつけてしまった。爆笑だ。履いているうちにあまりにくたびれてきたので、捨てようとしたが、 なかなか捨てるにならない。結局は、泣く泣く捨てたが、「今度からスリッパに顔はやめてね。」と懇願状態だった。人形は、本物になるのだろうか。 この本はそんなことを納得させてくれる。


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私の二人の娘は本が好きです。特に上の娘は、いわゆる本の虫で、常時何冊かを平行して読み、活字であれば 新聞から包装紙までなんでも読む子供でした。長じていまは言葉の研究をしています。
さて、彼女がそんなに本が好きになったのは堺谷寛子さんが主催されていた「きらきら文庫」に1歳から6歳まで通っていたからなのです。三つ子の魂百までとはよく言ったものです。
堺谷せんせいの読み聞かせを輪になって身を乗り出して聴いていた子供たちの食い入る面持ち。
  私にとってはその情景はもう遠い昔のこととなりましたが、堺谷せんせいはその後もずっと彼らを恍惚の世界にいざなう仕事を続けています。
きっとせんせいは、子供たちのその眼差しの虜となっているのに違いないと私は思っているのです。




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