前回にひきつづき、日本の昔話についてお話する第二回目。

昔話のやり方三つ


さて、今回は、本棚から昔話の絵本を選んでご紹介したいと思う。

例えば、「ももたろう」の絵本を読もうと思ったら、本屋には、数種類の「ももたろう」の絵本が並んでいる。どれにしようか・・・・。
お母さん方にも、よく聞かれる。「どの絵本がいいのでしょうか?」
一番大切なのは、「昔話」にふさわしいものであることだ。祖先から語り継がれてきたもの、時代を経ていまだに、万人の心に呼びかける魂をもっているものだと思えば、「絵がかわいいから」などという理由だけで、選んで欲しくはない。
昔話の全部が全部、絵本になっているわけではないし、中には、昔話を基調にして、創作した話もある。絵本として、世に出ていない話もあれば、「わざわざ絵本で読まなくても・・・・」と思う話もあるわけで。私の本棚にある昔話絵本は、厳選して9冊しかない。
それでも、小さい子に読むには、十分だと思っている。

昔話第二話
『ももたろう』松居直文・赤羽末吉画・福音館書店・1965年 / 『いっすんぼうし』いしいももこ文・あきのふく絵・福音館書店・1965年 /『うらしまたろう』時田史郎再話・あきのふく画・福音館書店・1974年 / 『かにむかし』木下順二文・清水崑絵・岩波書店・1959年 /『さるとかに』神沢利子文・赤羽末吉絵・銀河社・昭和49年 / 『かさじぞう』瀬田貞二再話・赤羽末吉画・福音館書店・1966年

…まずは、ももたろうへ




私の二人の娘は本が好きです。特に上の娘は、いわゆる本の虫で、常時何冊かを平行して読み、活字であれば 新聞から包装紙までなんでも読む子供でした。長じていまは言葉の研究をしています。
さて、彼女がそんなに本が好きになったのは堺谷寛子さんが主催されていた「きらきら文庫」に1歳から6歳まで通っていたからなのです。三つ子の魂百までとはよく言ったものです。
堺谷せんせいの読み聞かせを輪になって身を乗り出して聴いていた子供たちの食い入る面持ち。
  私にとってはその情景はもう遠い昔のこととなりましたが、堺谷せんせいはその後もずっと彼らを恍惚の世界にいざなう仕事を続けています。
きっとせんせいは、子供たちのその眼差しの虜となっているのに違いないと私は思っているのです。




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